【症状別】発達障害のある子供との接し方
発達障害の特性は様々であり、子供の得意や不得意に応じた接した方をすることが重要となってきます。
そこで今回は、発達障害の特性別に接し方の事例を紹介していきたいと思います。
注意欠如・多動性障害(ADHD)
ADHDは「注意欠如・多動性障害または注意欠如・多動症」とも呼ばれ、不注意(集中力がない)、多動性(じっとしていられない)、衝動性(思いつくと行動してしまう)といった症状がみられる障害です。
ADHDのあるお子さんは、その特性により授業に集中することが難しかったり、忘れ物が多くなってしまうので、先生からも叱られることが多くなりがちです。
叱られる事が増えてしまうと子供自身も自信を失ってしまい追い詰められてしまいます。お子さんが生きづらさを感じる前に、一緒に下記の事例を心がける様にすると良いでしょう。
- 持ち物や時間割は一緒に確認し、忘れることを一緒に予防する
- 衝動的な行動を減らすように子供が行動する前に「飛び出さないようにゆっくり歩こう」「買い物するときは順番に並んでからね」などと気づきを促す声掛けをする
- 自己評価を下げてしまわないように、他人の目につかないところで短く簡潔に注意するようにする
- できたことはしっかりと褒める!
自閉スペクトラム障害(ASD)
ASDは「自閉スペクトラム症または自閉スペクトラム障害」とも呼ばれ、人に対する関心が弱く、他人との関わり方やコミュニケーションの取り方に独特のスタイルがみられます。
相手の気持ちや状況といった曖昧なことを理解するのが苦手で事実や理屈に基づいた行動をとる傾向があり、臨機応変な対人関係を築くのが難しく誤解されやすいです。
また、特定の物事やルールに強いこだわりを示し好き嫌いが極端です。これらの特性の為に本人が生きづらさを感じることもあります。そこで下記のような接し方をすることで、生きづらさを軽減できるようになります。
- 漠然とした表現では混乱してしまうので、言葉で伝える時は短く具体的にゆっくりと話す
- 言葉で理解することが難しい場合や絵や文字などを使って視覚的に伝える
- 興味や関心があることには積極的に取り組むので、好きなものを使って説明したり本人が楽しくなるように工夫する
- これから起こる予定などをスケジュールにして見通しを持ちやすくする
限局性学習症(LD)
LDは「限局性学習症または学習障害」とも呼ばれ、学習環境や本人の意欲にも問題がないにも関わらず文章を読むこと、文字・文章を書くこと、計算することなど特定の領域だけが上手くできないという状態です。
生まれつき中枢神経系に何らかの機能障害があることが原因と推定され、特異的発達障害とも言われています。
正しく理解されないと勉強に不真面目で努力が足りていないと注意されてしまいます。厳しく指導されて疲れてしまったりヤル気を失ってしまう方が多く、接し方には下記のように注意が必要です。
- 「こんなことも分からないの」と叱るのではなく、子供の苦手な部分を理解し、その子供に合った学び方を一緒に考える
- 話し言葉で理解することが難しい場合は絵や文字などを使って視覚的に伝える
- タブレットや計算機、マス目の大きいノートなど特性に応じた教材を使う
- 主語がない、「てにをは」が抜ける、話す順番がごちゃごちゃになっている場合は「それは○○ということ?」と話し方のルールを覚えられるようにする